1968– | マルチストラテジー
| 氏名 | Kenneth Cordele Griffin(ケン・グリフィン) |
|---|---|
| 生年 | 1968年10月15日 |
| 出身 | フロリダ州デイトナビーチ |
| 学歴 | ハーバード大学 経済学学士(1989) |
| 主要キャリア | Citadel LLC 創業者・CEO / Citadel Securities 創業者 |
| 代表的業績 | マルチストラテジー・ヘッジファンドのモデル確立 / 2022年$16B利益記録 / Citadel Securities構築 |
1987年、ハーバード大学1年生の19歳のとき、転換社債の価格の歪みに着目し、寮室に衛星アンテナを設置してリアルタイムの市場データを取得。CB裁定取引を開始した。1987年10月のブラックマンデーでもポジションが奏功し、学生ながら注目を集めた。
卒業後の1990年、22歳でフロリダにてCitadel Investment Group(後のCitadel LLC)を$460,000の初期資本で設立。
CB裁定から出発し、統計裁定・イベントドリブン・債券裁定・クオンツ株式・コモディティなど、戦略を次々に追加。各戦略チームに高い自律性を与えつつ、リスク管理は中央集権的に行うマルチストラテジー・モデルを確立した。
2000年代半ばまでにAUMは$20Bを超え、業界トップクラスのヘッジファンドに成長。テクノロジーへの大規模投資により、取引執行・リスク計測・データインフラで競合を圧倒した。
2008年のリーマン・ショックでCitadelは-55%のドローダウンを記録。流動性危機で投資家の解約が殺到し、一時は存続が危ぶまれた。Griffinは解約を一時凍結し、ポートフォリオの再構築に注力。「ファンドを閉鎖する」という選択肢を拒否し、再建の道を選んだ。
2009年以降、Citadelは14年連続でプラスリターンを達成。テクノロジー投資をさらに加速させ、機械学習・代替データの活用、グローバル拠点の拡充を推進。2018年には本社をシカゴからマイアミに移転。
2022年、インフレ・金利上昇・地政学リスクという困難な市場環境の中で+38.1%のリターン、$16Bの年間利益を達成。これはヘッジファンド史上最高の単年利益記録であり、Citadelの「全天候型」運用能力を証明した。
ヘッジファンドとは別に、マーケットメイキング事業としてCitadel Securitiesを展開。米国株式市場の取引量の約25%を処理し、S&P 500構成銘柄の約99%でマーケットメイクを行う。2021年のGameStop/ロビンフッド騒動では、Payment for Order Flow(PFOF)の仕組みを巡り議会証言を行った。
Griffinの最大の特徴は「壊滅からの復活力」。2008年の-55%は多くのファンドにとって致命傷だったが、Citadelは組織・戦略・テクノロジーを根本的に再構築し、危機前よりも強い組織として復活した。クオンツ運用において、モデルの優秀さ以上に「組織のレジリエンス」が長期的成功を左右することを体現している。