世界最大のオルタナ運用会社Blackstone(AUM $1.2兆ドル、2025年9月末)が、2021年の$1B提携→2024年$1.6Bテイクプライベートを経て旧Hipgnosis Songs Fundを完全掌握。2025年3月に「Recognition Music Group」へリブランドし、45,000曲超・$2.95B評価(2025年3月Kroll)のカタログをABS証券化で資本効率最大化する音楽保有・運用会社。
第1期(2018〜2021): Hipgnosis Songs Fund単独期
Merck Mercuriadisが2018年にLSEでIPO。「音楽は株式・債券に次ぐ第3のアセットクラス」という命題で機関投資家を開拓。純粋Buy-and-Holdモデル。取得後は著名パブリッシャーに管理委託。
第2期(2021〜2024): Blackstone参入・矛盾露呈期
2021年、BlackstoneがHipgnosis Song Management(HSM)に$1B投資。金利上昇(2022〜23年)によりロイヤリティフローの現在価値が低下。独立取締役会vsMercuriadisの対立激化。カタログ再評価で資産価値下落発覚。
第3期(2024年〜): Blackstoneテイクプライベート・再編期
Blackstoneが$1.6Bでテイクプライベート(Concord入札を$0.06/株で上回る)。2025年3月、Recognition Music Groupにリブランド(CEO: Ben Katovsky)。Sony Music Publishingへの一部カタログ売却($200M超)で選別・最適化が進行。
2018年7月
Hipgnosis Songs Fund、LSEに上場
Merck MercuriadisがThe-Dreamの302曲(£18.83M)を皮切りにHSFを設立。2018年7月10日、LSEに上場。目標を超えた£202Mを調達。「音楽は第3のアセットクラス」命題で機関投資家を開拓した。
2021年10月
Blackstone $1B参入
BlackstoneがHipgnosis Song Management(HSM)に$1Bを投資し戦略提携。Advisory Board: Nile Rodgers / The-Dream / David A. Stewart / Rodney Jerkins等。「さらに数十億ドルを音楽投資に拠出する可能性」を示唆した。
2022〜2023年
カタログ価値崩壊と独立取締役会の反乱
金利上昇に伴いロイヤリティキャッシュフローの現在価値が低下。NAVが額面を大幅割れ。独立取締役会がMercuriadisのカタログ評価手法を批判。Shot Tower CapitalがEBITDA過大申告を指摘。2023年10月株主総会で「6ヶ月以内に完全再編か清算か」を決定する動議が可決された。
2024年4月〜7月
ConcordとBlackstoneの入札競争とテイクプライベート
2024年4月18日: Concordが$1.4B($1.25/株)で買収合意を発表。2024年4月28日頃: Blackstoneが$1.57B($1.31/株)で対抗入札。2024年5月8日: Concordが入札断念。2024年7月: Blackstoneが$1.58BでLSEからテイクプライベート完了。Mercuriadis退任。
2025年3月
Recognition Music Group設立
Hipgnosis Songs Capital / Hipgnosis Songs Assets / Hipgnosis Song Managementの3社を統合し「Recognition Music Group」に改称。Ben Katovsky(元BMG COO)が初代CEOに就任。
2025年6月
Sony Music PublishingへのHipgnosis Songs Group売却
BlackstoneがHipgnosis Songs Groupを$200M超でSony Music Publishingに売却。「収益性の高いカタログを選別し、残りをABSで証券化する」最適化の一環。
2025年7月
$372M ABS発行
Blackstoneが$372M ABSをRecognitionカタログ担保で発行。「保有カタログを証券化してキャッシュ回収→新規投資に再投下」サイクルを実行。2024年の$1.5B ABSに続く2回目の証券化。