諫山創による『進撃の巨人』(2009年〜2021年、全34巻)は世界累計1億部超を記録した講談社最大IPのひとつ。2021年4月にマンガが完結し、アニメのThe Final Season完結編後編は2023年11月4日に放映。「賛否が割れる結末」が完結後も継続的な社会論議を生み続けるロングテール現象は、IPエコノミーの新しい形を示した。
| 連載誌 | 別冊少年マガジン(講談社) |
|---|---|
| 連載開始 | 2009年9月9日(創刊号) |
| マンガ完結 | 2021年4月9日(第139話、別冊少年マガジン2021年5月号) |
| 単行本 | 全34巻。最終巻初版180万部[8] |
| 著者 | 諫山創(1986年宮崎県生まれ) |
| 累計発行部数 | 世界累計1億部超[1](2021年時点) |
| シーズン | 放映年 | 制作 |
|---|---|---|
| 第1期 | 2013年 | WIT STUDIO |
| 第2期 | 2017年 | WIT STUDIO |
| 第3期(前後編) | 2018〜2019年 | WIT STUDIO |
| 第4期 前半(ファイナルシーズン) | 2020〜2021年 | MAPPA |
| 第4期 後半 | 2022年 | MAPPA |
| 第4期 完結編前編 | 2023年3月3日(NHK総合) | MAPPA |
| 第4期 完結編後編 | 2023年11月4日(NHK総合) | MAPPA |
MAPPAは第4期(2020年〜)から制作を引き継いだ。MAPPAのデジタル作画・スタイリッシュな演出は高評価の一方、「WITの作風との差異」を惜しむ声もあった。
2021年4月9日の最終話公開直後、Twitterは世界規模でトレンドに。主な反応は二極化した。批判派は「エレンが報われない」「14年追ったのに消化不良」「ジャンはなぜ」等と反応し、Change.orgで結末変更を求めるペティションが立ち上がり数万人が署名(英語・スペイン語圏での反応が大きかった)。支持派は「エレンの悲劇的な選択が物語の整合性を示している」「ミカサ・アルミンの生存が救い」と評価した。
2023年11月4日、NHK総合でアニメ完結編後編が放映。漫画版の最終話に追加シーン・補完的な台詞を加え、「漫画版よりも感情的に整合した終わり方」として評価が高かった。Screen Rantは「アニメ版の結末は保持しながら、核心的シーンを感情の重みで再文脈化した」と評価。「マンガ版よりアニメ版の方が優れた結末か」という議論が再び盛り上がった。
TVアニメ完結編(前後編)を劇場版長編に再構成した「劇場版 進撃の巨人 完結編 THE LAST ATTACK」が2024年11月8日公開。国内・海外で公開され、完結IPの劇場版収益化モデルを実証した。
「進撃の巨人」は日本のマンガ・アニメが純粋なストーリー・世界観で世界中に展開できることを証明した代表作のひとつとなった。アメリカ・ヨーロッパ・中東・アジアで幅広いファン層を持ち、完結直後のTwitterは複数国でトレンド1位を獲得。Crunchyrollで全世界同時配信され、海外での視聴者数は日本国内を超えると言われる(推定)。海外コミュニティ(Reddit r/titanfolk等)では日本語版と同時並行でリアルタイム考察が展開された。
通常、コンテンツは完結と同時に話題が急減する。しかし「進撃の巨人」の賛否ある結末は完結後も継続的な議論を生み続けた。
MAPPAは本作でアニメーション業界での地位を一気に高めた。進撃の巨人・チェンソーマン・呪術廻戦と並んで「MAPPAの3大作品」として業界評価が固まり、デジタル作画を中心とした高品質アニメ制作会社としての地位を確立した。
最終巻(34巻)は初版180万部で発売され、シリーズ累計発行部数1億部超の大台を押し上げた。海外ではKODANSHA USA(英語版)・MANGA Plusでの全話無料公開で新読者を獲得。フィギュア・グッズ・コラボカフェなど完結後も継続的な商品化が続いた。
「進撃の巨人」はストーリーとしては高評価を受けていたが、最終回への賛否がシリーズ全体の「後日談評価」を複雑にした。レビューサイト(MyAnimeList等)での評価が完結後にやや変動し、「結末を知った上でシリーズを見返したい」層と「結末に失望して再評価したくない」層に分かれた。
第4期でWIT STUDIOからMAPPAに制作が交代した際、一部ファンから「作画スタイルが変わった」との批判があった。ただしMAPPAの演出クオリティ全般については高評価が大勢を占め、最終的には「アニメ版の結末はマンガ版を補完した」という評価で落ち着いた。