2024年2月16日公開、Production I.G制作。初日3日間で興収22.3億円・動員152万人を記録し、最終的に興収116.4億円・動員788.8万人(5月22日時点)に到達した。テレビアニメ完結から約4年後の劇場版化にもかかわらず、ファンエコノミーが持続する「完結後IP」の底力を実証したエピソード。
『ハイキュー!!』は古舘春一による高校バレーボール漫画で、2012年から2020年まで『週刊少年ジャンプ』(集英社)に連載。単行本全45巻、国内累計5,000万部超(2024年時点・推定)、世界累計6,000万部超(推定)。テレビアニメはProduction I.G制作で全4期(2014〜2020年)放映。特に第4期(2020年)の「烏野vs稲荷崎戦」「音駒戦」が話題となり、完結後もファンコミュニティの熱量が持続していた。
2023年3月、劇場版制作を正式発表。本作はテレビアニメ第4期で描ききれなかった「音駒高校vs梟谷学園(通称・ゴミ捨て場)」の試合を単独映画として制作したもの。監督は満仲勧(テレビアニメ監督からの続投)、制作はProduction I.G。アニメ第4期終了(2020年12月)から3年以上のブランクを経た劇場版化にもかかわらず、公開直後から高い集客力を発揮した。
| 時点 | 興収 | 動員 |
|---|---|---|
| 公開日 | 2024年2月16日 | |
| 初日3日間 | 22.3億円[2] | 152万人[2] |
| 公開約1ヶ月 | 70億円超 | — |
| 公開75日間 | 100億円[3] | 699万人 |
| 公開158日(5月22日時点) | 112.9億円[5] | 788.8万人[5] |
| 最終興収(推定) | 116.4億円 | 800万人前後(推定) |
2024年邦画興収ランキング2位(1位は名探偵コナンシリーズ)
節目マーケティング(特典商法の高度化): 公開ごとに新たな来場者特典(描き下ろしポストカード・ステッカー等)を追加。興収節目(50億・81.9億・100億・112億)ごとに古舘春一の描き下ろしビジュアルと新キービジュアルを公開し、「もう一回」の特典が何度も追加されリピート鑑賞を促進した。
グッズ展開: 劇場販売グッズ40種類超(アクリルスタンド・キーホルダー・ポーチ等)を展開。ジャンプショップ・東宝アニメーションストア・IG Portオンラインストアに加え、セブンイレブン・ローソン等コンビニコラボも実施した。
展示会・映像ソフト: 「劇場版ハイキュー!! ゴミ捨て場の決戦 展」を全国主要都市で開催(2024年中〜2025年)。2024年10月30日にBlu-ray/DVDを発売し、映像ソフト発売後も配信(Netflix・Amazon Prime Video)・グッズ展開を継続した。
アニメが2020年に終了し、原作も2020年完結にもかかわらず、2024年の劇場版で100億円超の興収を達成したことは、日本アニメ業界に重要なデータポイントを提供した。
Production I.Gは本作でテレビアニメから劇場版への品質維持・向上を実現し、業界内での評価が高まった。「音駒のバレーボール描写」への作画クオリティはSNSで高評価を集め、Production I.Gのテレビシリーズ→劇場版移行モデルの成功事例となった。
nippon.com(2024年映画興行収入分析)は「2024年の邦画は史上最高水準を更新し、その牽引役に『名探偵コナン』と『ハイキュー!!』が並んだ」と分析。アニメ映画が邦画市場の主柱であることをあらためて確認した年となった。
2024年10月30日のBlu-ray/DVD発売は映画館での「応援上映・ライブビューイング」需要を再喚起。「BDで映画館にもう一度来てください」という誘導施策が実施され、追加動員に貢献した(ファミ通報道)。映像ソフト発売と劇場再上映の連動策として注目される。
プロモーション上の目標として「動員1,000万人」が言及されていたが、最終的には788.8万人(5月22日時点)にとどまり、最終集計で800万人前後(推定)となった。1,000万人には届かなかった可能性が高い。公式最終動員数は本レポート作成時点では確認できていない。
「同一作品を何度も見せるための特典付与は誘導的」との批判がSNS上に散見された。映画特典商法全般への批判の文脈で取り上げられることが多い。特典付き前売り券の転売問題も業界全体の課題として指摘された。