『チェンソーマン』第1部累計1,300万部超[1]、読み切り『ルックバック』は初日250万閲覧[2]。映画の文法をマンガに直接適用する「映画的漫画」の旗手として国内外の評価を獲得。2026年には是枝裕和監督による『ルックバック』実写映画化[4][5]が控える。
| 生年月日 | 1992年10月10日(32歳) |
|---|---|
| 出身地 | 秋田県にかほ市 |
| 学歴 | 秋田県立仁賀保高等学校情報メディア科CGデザインコース卒、東北芸術工科大学美術科洋画コース卒 |
| 掲載媒体 | 集英社(週刊少年ジャンプ・少年ジャンプ+) |
| 主な受賞 | 第48回日本アカデミー賞最優秀アニメーション作品賞(劇場アニメ「ルックバック」) |
1992年10月10日、秋田県にかほ市生まれ。過疎地域に属するにかほ市での幼少期は、後のインタビューで創作の原点として語られた。高校(仁賀保高校)では情報メディア科のCGデザインコースに進学し、この時期から映像・デジタル表現への関心が形成された。
高校1〜2年頃から、Webコミック投稿サイト「新都社」に「長門は俺」名義でウェブコミックを投稿開始。地元に美大の予備校がなかったため、高齢者が通う地域の絵画教室の隅で油絵を独学した。
東北芸術工科大学美術科洋画コースに進学。美術・絵画の技法と理論を体系的に学ぶ一方、映画・文学への傾倒が深まった。大学在学中・卒業後に集英社への持ち込みを経て、2016年に『ファイアパンチ』を少年ジャンプ+で連載開始した。
| 作品 | 掲載媒体 | 期間 | 特記 |
|---|---|---|---|
| ファイアパンチ | 少年ジャンプ+ | 2016〜2018年 | デビュー長編、独自の暴力・再生テーマ |
| チェンソーマン(第1部) | 週刊少年ジャンプ | 2018〜2020年 | 累計1,300万部超[1]、MAPPA制作アニメ化(2022年) |
| ルックバック | 少年ジャンプ+ | 2021年7月(読み切り) | 初日250万閲覧[2]、2024年劇場アニメ化、2026年是枝裕和実写映画化[4][5] |
| さよなら絵梨 | 少年ジャンプ+ | 2022年4月(読み切り) | 映画フォーマットを意識した実験的縦スクロール作品 |
| チェンソーマン(第2部) | 少年ジャンプ+ | 2022年7月〜(連載中) | 女子高生が主人公、継続中 |
藤本タツキの最大の革新は、映画・映像の文法(カット割り・モンタージュ・長回し・フラッシュバック)をマンガのページ構成に直接適用した表現スタイルにある。『ルックバック』では縦スクロールの進行に合わせてページ転換が「映画のカット」のように機能し、読者に映像体験に近い没入感を与えた。この手法は後の漫画家・Webコミック作家に大きな影響を与え、「映画を読む」という評価が定着した。
チェンソーマン第1部は伝統的な紙媒体の週刊少年ジャンプで連載し、第2部はデジタルのジャンプ+に移行した。これは集英社の「紙のジャンプ→ジャンプ+」の並行戦略において、藤本が最も重要な橋渡し役となった事例。ジャンプ+は藤本の読み切り作品の重要な発表舞台となり、「短編×Webコミック×即時グローバル公開」という新しい漫画発表モデルを実証した。
2022年10月から放送されたチェンソーマンアニメ(MAPPA制作)は、映像クオリティ・演出・音楽(各話別アーティスト担当のED)が話題を呼んだ。EDは毎話異なるアーティスト・スタイルで制作するという前例のない試みで、全12話の担当にEve、Vaundy、米津玄師、女王蜂、Aimer等が名を連ねた。アニメ音楽業界に新しい発注・収益モデルを示し、後の作品の参照対象となった。
チェンソーマンは英語版・中国語版・韓国語版等多数の言語に翻訳され、海外コミックス市場でも高評価。特に北米では「チェンソーマンは日本版ウォッチメン」という評価もあり、成熟した読者層に受け入れられた。
少年ジャンプ+で連載中(2022年7月13日〜)。第2部は「ファミリー編」「学校編」と続き、第1部とは主人公・世界設定を一新。読者の評価は「第1部ほどの熱量はないが質は高い」という傾向が見られる。
SNSで映画評・映画推薦を行うことで知られ、「チェンソーマン作者の映画好き先生が推薦する感動作」というコンテンツがSNSで拡散するほど、「映画批評家=漫画家」という二重のブランドが確立されている。
地方の情報格差の中で、高齢者が通う絵画教室の隅で油絵を独学した少年時代。「環境に規定されない創造性」を示す象徴的エピソードとして語られる。
高校時代から「新都社」(アマチュアWebコミックサイト)に長門は俺名義で投稿。プロとしてデビューする前に数年間のオンライン発表経験を積んでいたことが、後のジャンプ+での即日公開・読者反応への敏感さに繋がっている。
2021年7月19日に公開されたルックバックは、公開初日だけで250万人以上が閲覧した。これは通常の漫画連載初回読者数の数十倍規模であり、Webコミックにおける「バイラル読み切り」の成功事例として業界に記録されている。
2022年4月の読み切り「さよなら絵梨」は、スマートフォンの縦スクロールで読む前提で設計され、ページをめくる感覚ではなく「映像フレームをスライド」する体験を漫画で実現した。アヌシー2022でも話題になった。
MAPPA制作アニメ版(2022年)のED曲は各話異なるアーティストが担当(全12話・12曲)。Eve、マカアカとMakua、Vaundy、米津玄師、女王蜂、Aimerなどが参加したこの試みは、アニメ音楽業界に新しい発注・収益モデルを示し、後の作品の模倣対象となった。
2025年12月、是枝裕和(「万引き家族」「怪物」等の国際的映画監督)がルックバックの実写映画化を監督・脚本・編集すると発表。「漫画IP×作家映画監督」という新しい組み合わせとして映画産業からも注目された。
| 名前 | 関係 |
|---|---|
| 是枝裕和 | ルックバック実写映画化の監督(2026年公開予定) |
| MAPPA(大塚学代表) | チェンソーマンアニメのプロデューサー・スタジオ |
| 米津玄師 | チェンソーマンアニメEDに楽曲提供(KICK BACK) |
| Vaundy | チェンソーマンアニメEDに楽曲提供 |
| 赤坂アカ | 『かぐや様は告らせたい』作者。ジャンプ+の同世代代表的作家 |
| 浅野いにお | 「日常×漫画実験」の先行作家。藤本の影響源の一つ |
| 荒木飛呂彦 | ジャンプの前世代における「映画的漫画」の先駆者として影響源 |