『この世界の片隅に』監督、ポストジブリ世代の研究家肌。日大芸術学部時代に宮崎駿『名探偵ホームズ』脚本に参加、1989年『魔女の宅急便』演出補。2015年クラウドファンディング Makuake で3,374人から3,914万円調達(目標195%)[3][4]、2016年公開作が日本累計興収約27億円・低予算高ROIを実現した先駆例[2]。
| 生年月日 | 1960年8月10日(65歳) |
|---|---|
| 出身地 | 大阪府岸和田市 |
| 学歴 | 日本大学芸術学部映画学科 |
| 師匠系譜 | 宮崎駿(『名探偵ホームズ』脚本、『魔女の宅急便』演出補) |
| 長編監督デビュー | 2001年『アリーテ姫』(Studio 4°C) |
| 主要スタジオ関係 | Studio 4°C → マッドハウス → MAPPA → MAPPA 子会社 Contrail(2019-2023、解散) |
| 主な受賞 | 第14回文化庁メディア芸術祭優秀賞(マイマイ新子)/第40回日本アカデミー賞 最優秀アニメーション作品賞/ANNECY 国際アニメーション映画祭 審査員特別賞(2017、この世界の片隅に) |
1960年大阪府岸和田市生まれ。日本大学芸術学部映画学科に入学、アニメーションを専攻。在学中に宮崎駿監督と出会い、テレビアニメ『名探偵ホームズ』(1984、最終的に未完となる宮崎担当回)の脚本に参加。宮崎が『風の谷のナウシカ』脚本にも参加を要請したが、片渕は様々な事情で辞退した。
2015年 Makuake で3,914万円調達は、当時の日本アニメ映画CFとして異例の規模。クラウドファンディング金は主に「制作前段階」の費用(パイロットフィルム制作、海外渡航取材、声優オーディション等)に充てられ、全制作費(推定3〜4億円)の一部に過ぎないが、製作委員会立ち上げの呼び水として機能した。
| プラットフォーム | Makuake(株式会社マクアケ) |
|---|---|
| 開始 | 2015年3月9日 11:00 |
| 目標金額 | 2,000万円 |
| 達成期間 | 開始8日15時間で目標達成 |
| 最終調達額 | 3,914万1,920円(目標の195.6%)[3] |
| 支援者数 | 全国47都道府県から3,374人[3] |
後続の多くの低予算アニメ・ドキュメンタリー・短編が CF を活用するきっかけとなり、「映画クラウドファンディングの成功事例」として教材化された。
『この世界の片隅に』は推定制作費3〜4億円(一般的な邦画アニメ製作費5〜10億円より低水準)に対し、日本国内累計興収約27億円、観客動員約215万人[2]。ROI 5〜7倍は業界平均を大きく超える。全国63館の小規模公開からスタートし、口コミで上映館数を最終約480館に拡大したロングラン興行は、配給戦略の参考事例となった。
高畑勲『火垂るの墓』(1988、スタジオジブリ)とは異なる「市井の生活描写」アプローチで、戦時下の日常を緻密に再現。歴史考証へのこだわりが片渕作品の中核で、CF資金で広島・呉の戦時記録、中国(青島・上海)等を実地取材し、1944〜1945年の生活描写の正確性を高めた。戦後70周年(2015)、80周年(2025)の節目で再評価。
| 監督 | 主要作品 | 特徴 |
|---|---|---|
| 片渕須直 | この世界の片隅に、マイマイ新子 | 歴史考証・地方文化、研究家肌 |
| 細田守 | サマーウォーズ、竜とそばかすの姫 | スタジオ地図主導、商業性も両立 |
| 新海誠 | 君の名は。、すずめの戸締まり | コミックス・ウェーブ・フィルム、興行記録多数 |
| 山田尚子 | リズと青い鳥、平家物語 | 京アニ → サイエンスSARU、繊細な感性 |
| 湯浅政明 | 犬王、DEVILMAN crybaby | サイエンスSARU、実験的・国際的 |
日本大学芸術学部在学中に宮崎駿『名探偵ホームズ』脚本チームに参加。卒業後、宮崎が『風の谷のナウシカ』脚本参加を要請したが片渕は辞退。1989年『魔女の宅急便』で演出補として宮崎チーム参加。ジブリ系譜の系列だが、自身は研究家肌でジブリの主流から外れ、独自路線を歩むことに。
2010年からこうの史代『この世界の片隅に』のアニメ化を片渕が直接打診。こうのの厳密な歴史考証への姿勢と片渕のスタイルが合致したが、製作委員会立ち上げまで5年以上かかる。CF成立がブレイクスルーとなった。
目標2,000万円に対し開始8日15時間で達成。最終3,914万円・3,374人。文春オンラインの取材によると、支援者は「企画を成立させるための加速剤」と認識。「お金が欲しい」のではなく「企画が成立しないと困る」というファンドリエーションの典型例として、映画CFの成功条件を示した。
クラウドファンディング資金で広島・呉の戦時記録、中国(青島・上海)等を実地取材。1944〜1945年の生活描写の正確性を高めるため。歴史考証へのこだわりが片渕作品の中核で、「研究 → 構想 → 制作」サイクルが作品品質を支えた。
2019年、片渕の次回作専用スタジオとして MAPPA 子会社 Contrail を設立。目的は片渕監督単独の長期プロジェクトを支える組織化。2023年頃、純損失6,800万円を計上後、MAPPA が Contrail を吸収・解散。次回作の制作体制は MAPPA 本体に統合、継続中。
2025年に『この世界の片隅に』全国再上映(80周年記念)。戦後生まれ世代に向けた継続的な歴史伝承の役割を果たし、国内外で再評価機運。一作品が10年以上にわたって社会的役割を持ち続ける稀な事例。
| 関係 | 人物 | 関係性 |
|---|---|---|
| 師匠 | 宮崎駿 | 『名探偵ホームズ』脚本、『魔女の宅急便』演出補 |
| 原作者 | こうの史代 | 『この世界の片隅に』原作(双葉社『漫画アクション』2007-2009) |
| 原作者 | 高樹のぶ子 | 『マイマイ新子と千年の魔法』原作 |
| 原作者 | 広江礼威 | 『BLACK LAGOON』原作 |
| 原作者 | ダイアナ・コールス | 『アリーテ姫』原作 |
| 主演(声) | のん(能年玲奈) | 『この世界の片隅に』主演 |
| 制作スタジオ | MAPPA(丸山正雄) | マッドハウス出身の丸山が2011年設立、『この世界の片隅に』が代表作の一つ |
| 同世代独立監督 | 細田守 | スタジオ地図主導 |
| 同世代独立監督 | 新海誠 | コミックス・ウェーブ・フィルム |
| 同世代独立監督 | 湯浅政明 | サイエンスSARU、ame pippin |