QUANTS OVERVIEW · STRATEGIES ISSUE 01 / 2026

📅 LTCM — 戦略史

ドリームチームの結成から、驚異的リターン、1998年の崩壊、そして清算まで。わずか6年の栄枯盛衰。

年表

年月出来事意義
1991John MeriwetherがSalomon Brothersを辞任国債不正入札スキャンダルの責任を取る形で退職。債券裁定チームの中心人物だった
1993LTCM設立の準備開始。ドリームチームの招集Myron Scholes、Robert Merton、David Mullins Jr.(元FRB副議長)、Eric Rosenfeld等を説得
1994/2LTCM運用開始。初期資本$12.5億ヘッジファンド史上最大の初期調達。大手銀行・中央銀行・イタリア中銀までが出資
1994初年度リターン+20%(10ヶ月)債券収束取引が順調に機能。モデルへの自信が深まる
1995年間リターン+43%オン/オフ・ザ・ラン国債スプレッド等の収束取引が大当たり
1996年間リターン+41%2年連続40%超。投資家からの追加出資要望が殺到
1997/秋投資家に$27億を返還「これ以上の資本は不要。裁定機会に対して資金が過剰」として返還。後に「傲慢の象徴」と言われる
1997年間リターン+17%収束取引のスプレッドが縮小し、リターンが低下。レバレッジを増加させて対応
1998/5新興市場のボラティリティ上昇アジア通貨危機の余波。LTCM内部でリスク警告が出るも、モデルは「一時的」と判断
1998/8/17ロシアがルーブル切り下げ・国債デフォルト宣言LTCMの崩壊の引き金。「質への逃避」が世界規模で発生し、すべてのスプレッドが拡大
1998/88月だけで$18億の損失。自己資本が$23億に減少レバレッジが急上昇。マージンコールが始まる
1998/9/2Meriwetherが投資家に緊急書簡「年初来-52%。$15億の追加出資を要請」。市場にパニックが広がる
1998/9/23FRB主導で$36億の協調救済14の金融機関が参加。Bear Stearnsのみ参加を拒否。LTCMの株式の90%を取得
1999ポジションの段階的解消救済チームがポジションを整理。市場の安定化とともにスプレッドが収束し、一部利益を回収
2000LTCM清算完了救済出資者は最終的に小幅の利益で退出。LTCM自体は消滅

3つのフェーズ

第1期: 黄金期(1994-1996)

第2期: 過信期(1997-1998年前半)

第3期: 崩壊と救済(1998年8月-2000年)

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