債券裁定 · 1994-2000年 · ノーベル賞受賞者を擁した「ドリームチーム」の崩壊
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 運用会社 | Long-Term Capital Management, L.P. |
| 設立 | 1994年 |
| 清算 | 2000年(実質的に1998年9月に破綻) |
| 創設者 | John Meriwether(元Salomon Brothers副会長) |
| 主要メンバー | Myron Scholes(ノーベル賞)、Robert Merton(ノーベル賞)、David Mullins Jr.(元FRB副議長) |
| ピーク時AUM | 自己資本$70億 / 想定元本$1,250億(レバレッジ約25:1) |
| 手数料 | 2% 管理報酬 + 25% 成功報酬 |
| 投資家 | 大手銀行、中央銀行、富裕層、大学基金 |
| 主な戦略 | 債券収束取引(コンバージェンス・トレード)、金利スプレッド裁定 |
| 本拠地 | グリニッジ、コネチカット州 |
| サブ業界 | 債券裁定 / レラティブバリュー |
1994年のドリームチーム結成から、驚異的リターン、1998年の崩壊、FRB救済、そして2000年の清算まで。
債券市場の収束取引、オプション価格モデルの創始者たちによる戦略設計、そしてなぜモデルが崩壊したか。
レバレッジによる見かけの規模拡大。1997年の投資家資金返還(傲慢)。レバレッジの力学と崩壊のメカニズム。
1998年8月のロシアデフォルト、マージンコールの連鎖、FRB主導の救済、そしてMeriwetherのその後。
| 年 | リターン(手数料後) | 備考 |
|---|---|---|
| 1994(3月-12月) | +20% | 設立初年度。10ヶ月間の実績 |
| 1995 | +43% | 債券収束取引が絶好調 |
| 1996 | +41% | 2年連続40%超。投資家からの資金が殺到 |
| 1997 | +17% | リターン低下。投資家に$27億を返還(「もう十分に資金がある」) |
| 1998(1-8月) | -52% | ロシア危機で壊滅的損失。自己資本が$47億から$4億に |
| 1998(9月) | FRB主導で$36億の救済 | 14の金融機関が協調出資。システミックリスク回避のため |
| 1999-2000 | ポジション解消・清算 | 救済後のポジション整理で一部回復するも、2000年に清算 |
LTCMの崩壊は「モデルは市場の近似であって市場そのものではない」という根本的な教訓を残した。正規分布の仮定、流動性リスクの無視、過度なレバレッジ。この3つの過ちは、以後のすべてのクオンツファンドのリスク管理に影響を与えている。
| 基準軸 | 評価 | 根拠 |
|---|---|---|
| A. 規模 | ◎ | 想定元本$1,250億。レバレッジ込みで世界最大級の規模だった |
| B. リターン | ◎(崩壊前) | 年率40%超を3年間。ただし最終的に壊滅 |
| C. 構造影響 | ◎◎ | リスク管理の近代化、レバレッジ規制、システミックリスク概念の確立に決定的影響 |
| D. 持続性 | × | わずか4年で崩壊。持続性の反面教師 |